どーも。でんきだぬきです
- 電気工事業界ってこれからどうなの?
- 斜陽産業では働きたくないな
業界に関わる人なら誰もがそう思います
もちろん僕もです
なので、上場している電気工事会社全17社の決算書から調査しました
結論から言ってしまえば、電気工事業界は問題ないと思います。
・コロナでの影響は大きいものの、回復傾向にある
・将来性のある電気工事の種類
・上場企業もやっているリスクヘッジ
コロナでの影響は大きいものの、回復傾向にある
まずは、この数字とグラフを見てください
会社名の下の数字は売上高で、その横の数字は2019年の売上高を基準とした増減率です
規模の違うデータを扱う場合に使う分析手法ですので、本記事の趣旨から逸脱してしまいますので
単純に2019年との比較だと考えてください
2019年から2023年までの、上場企業17社の決算ををまとめたものです。
初の緊急事態宣言が2020年4月からのことを考えると影響が出やすい業績時期は
2020年と特に2021年と考えました
その理由としては、建設業の場合は飲食、小売業などの直接顧客からお金をもらう資金サイクルが早いBtoCとは違い
基本的には、施工完了後にお金をいただくビジネスになりますので
資金サイクルつまり売上高の反映は翌年以降になることがあります
したがって、2020年以降の新規受注が減少したことによる2021年、2022年前半が最も売上高減少に影響ができるものが多いと推測されます
要するに、2019年の業績数字と、最新の数字を比較することで企業本来の成長を見ることができると考えます
それでは、次にこのグラフを見てください
2019年と2023年のみを比較したグラフになります
このグラフからわかることは、
2019年:コロナの影響を受ける前の企業の力
2023年:コロナによる影響が落ち着いた企業本来の力
を比較することで、今後の業界動向を確認できると考えます。
その結果、17社中11社が2019年よりも売上高が成長していることがわかりました
つまり65%の会社が少なくともコロナを乗り越えて成長していることになります。
将来性のある電気工事の種類
では次に、成長していることはわかったけど電気工事にもたくさんの種類がありますが
どれが一番うまみのある仕事なのか?
これについて分析していこうと思います。
分析方法は
2019年から2023年で成長率が高い3社の決算書を調べて
何がその会社で売上を出しているかを分析します。
エクシオグループ 141.6006%
ETSホールディングス 128.0536%
中電工 127.8355%
エクシオグループ
エクシオグループでは、3つセグメントで構成されています
通信キャリア、都市インフラ、システムソリューション
(通信キャリア事業の概況)
エクシオグループ 2023年3月期 決算より引用
通信キャリア事業におきましては、アクセス分野・ネットワーク分野では光回線工事等が順調に推移しました。
NCC各社を含むモバイル分野では、モバイルキャリア事業者の投資の抑制により足元では弱含みの状況ではあります
が、5G無線基地局についての投資は中長期的に継続していく見通しであり、マルチキャリアで対応可能な体制を整
備し、効率的な業務運営に努めております。
なお、2022年10月に開催された「第46回技能五輪国際大会」において、情報ネットワーク施工職種で当社の海老
原徹社員が金メダルを獲得、技能五輪国際大会における当社の金メダル獲得は通算6個目となりました。今後もさ
らなる技術力の強化・向上並びに優秀な技術者の育成を図り、社会に貢献してまいります。
(都市インフラ事業の概況)
都市インフラ事業におきましては、大規模データセンターに関する引き合いを引き続きいただいているほか、高
速道路トンネル照明設備等の道路インフラ工事も堅調に推移しました。再生可能エネルギー関連では、洋上風力発
電事業への参画にむけた電力関連技術者育成を計画的に進めているほか、昨年来進めております木質バイオマスガ
ス化発電所の建設および実証運転についても順調に進捗し、2024年の本格稼働に向けた準備を着々と進めておりま
す。
(システムソリューション事業の概況)
システムソリューション事業におきましては、事業再編により中核となった2社を中心に、上位コンサルから保守
運用までのワンストップでのサービス提供を行うことで更なる収益向上を目指すとともに、当社グループが強みを持
つ文教系のお客様等に対して引き続き積極的な営業活動を行いました。また、大口のお客様からのシステムリプレイ
ス案件などを受注いたしました。グローバル分野におきましては、物価高騰や納期遅延等による影響はあるものの、
概ね順調に事業を展開しております。また、さらなる業容拡大とシナジー最大化を意図し、サードパーティのメンテ
ナンスサービス、IT資産の処分およびデータセンターサービス、ハードウェアの流通および再販事業を強みとする、
Procurri Corporation Limited を子会社化しました。
現在稼ぎ頭は通信キャリア事業みたいですね
通信キャリア事業は 弱電工事に分類されます
都市インフラはどちらかと言えば強電工事に分類されます
ETSホールディングス
【電気工事業】
2022年9月期 決算短信より引用
(送電事業部門)
電力事業においては、断続的な新型コロナウイルスへの対策が必要な状況下のもと、電力の安定供給を下支えす
る「エッセンシャルワーカー」の集団として、電力送配電各社のご指導の下、電力安定供給に貢献できるよう努め
てまいりました。
しかしながら、発注元である電力会社の予算見直しにより、予定されていた大型案件の工事が部分発注になった
影響を受け、受注高は27億6千9百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。売上高は工事中止等の影響
により、30億2千2百万円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。
(設備事業部門)
設備事業においては、再生可能エネルギー発電所の特別高圧変電所工事の受注に注力してまいりましたが、予定
していた大型工事の受注時期がずれ込み、受注高は19億2千9百万円(前連結会計年度比60.2%減)となりまし
た。売上高は手持ちの大型工事案件が順調に推移した結果、26億3千8百万円(前連結会計年度比49.6%増)とな
りました。
これらにより、電気工事業の当連結会計年度の受注高は46億9千8百万円(前連結会計年度比17.5%減)、売上
高は56億6千万円(前連結会計年度比31.1%増)、セグメント利益(営業利益)は2億4千6百万円(前連結会計
年度比28.8%増)となりました。
【建物管理・清掃業】
(建物管理・清掃事業部門)
建物管理・清掃業においては、第1四半期に買収したユウキ産業株式会社の連結への寄与があり、当連結会計年
度の売上高は9億9千1百万円(前連結会計年度比69.8%増)、セグメント利益(営業利益)は8千5百万円(前
連結会計年度比29.0%増)となりました。
我々電気工事士に関係のある
送電事業と設備事業 売上高増加はうれしいですね
中電工
ここはわかりやすく、電気工事、電気通信工事をメインでやっている会社で
単純に売上高増加=受注高増加ですね
こうやって見てみると
電気工事会社と一口に言っても、たくさんの事業をやっているもので
ある年には通信キャリア事業が儲かったり
ある年は屋内電気工事が儲かったりと大きい会社でさえどれが儲かるかどうかの予測は難しいことです。
上場企業もやっているリスクヘッジ
上で書いたように、上場している会社でさえ複数の事業を持つことでリスクヘッジをしています
では、個人事業主でできるリスクヘッジとは何か?
複数の技術を身に着けることです
自分が強電だから強電だけ
弱電だから弱電だけはあまり良い選択ではありません
弱電設備のインターホン、テレビ、電話設備は強電のコンセントやスイッチを取り付けるのと同じ要領で施工できます
強電の電工さんは、弱電対して苦手意識があることが多いですが
それでは、仕事の幅が狭くなってしまいます職種の垣根を越えて挑戦することで自分の価値を高めることができます😁 pic.twitter.com/R1CCyB2Rc5
— でんきだぬき@フリーランス電気工事士 (@denkidanuki) January 17, 2023
この前ツイートしましたが、今自分のできる仕事だけしているのでは
その仕事の需要が減ったらどうなってしまうのでしょうか?
そうならないためにも、できる仕事を増やしていくことが大切です。
若ければ若いほうが、習得もしやすいです
その理由としては、以前書いた記事ですが
独立してすぐの時は、請負の仕事なくまとまった仕事量が欲しいなぁと焦りがちですが
待ってください。まず独立したての頃は準備万端!って独立することのほうが稀ですし
開業初期の頃に請負の仕事を出す会社が少ないことは当然のことであるってことを認識してください。
独立するまでに、いろんな職人さんと出会ってきたと思います。
まず、その人達に使ってくれませんかー?ってかたっぱしから連絡してください。
あなたが20代、30代で人間性が普通なら3人に1人は応援なり手伝いで必ず使ってくれる人がいます必ずです
職人の世界では40代は若手と言われますが
50代の現役バリバリの職人さんはかなり癖が強い人が多いです。
なので、職人さんたちの相性があって
自分が忙しくても、他の職人さんに応援のお願いができなかったり、頼みづらいことが多くあります。
そこであなたのような若手が独立したんですけど応援ないですかー?って連絡してみてください喉から手が出るほど人が欲しい時に、そんなこと言われたら「とりあえず来てくれ!」と言われます(笑)
僕が実際にそうでした。
あなたが、もし20代、30代であれば簡単に仕事の手伝いや応援に行くことができます
その時に、新しい技術があればそこで盗んでください
フリーランスを長く続けたいのであれば、目先の応援代よりも大切なものがあると思います。
人脈や技術はすぐにお金に還元することはできませんが、長期的にリターンを生んでくれるものです
軽視しないでください
最後まで、読んでいただきありがとうございます^^